幸福な人生は「新しい楽しみを見つけられるか」にかかっている

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皆さんこんにちは。
Life Get Better 編集長のコーヤマ・リョウジです。

私たちが生きるこの世界には、そもそも”生きる意味”は無い。
しかし人間は生きる意味を求めてしまう。
この矛盾が人生に「不条理」を生み出している。
この不条理に直面した時、「自殺(逃避)」 「希望(意味づけ)」 「反抗(不条理を受け入れ生きる)」 この3つの選択肢があるが、不条理であることを理解し、それでも「反抗」して生きるべきである。
そして不条理に反抗し、人生に意味は無いと認めた先に自由と幸福がある。

これは1900年代に活躍し、ノーベル文学賞も受賞した小説家・哲学者 アルベール・カミュ の主張です。

おそらくこの考え方は、足掻いても足掻いても自らの願望が叶わなかった、彼の壮絶な人生経験から生み出されたと想像するに難くはありませんが、科学や技術がさらに発達した現代に生きる私たちこそ、改めてこの考え方に注目すべきなのではないでしょうか。

強制参加のラットレース

現代社会に生きるわたしたちは、大人になると半ば強制的に社会に放り出されます。
社会に出れば例外なく、「資本主義」という名のゲームに参加せざるを得ません。

この「資本主義」は、経済活動の規模の拡大が前提とされているため、明確なゴールなどありません。
常に新しい何かを生産し続けなければならず、それはさながらラットレースであり、シーシュポスが受けた罰と同義にも捉えられます。

※シーシュポスの罰:神の怒りに触れた王が、地獄で大岩を山頂まで押し上げるものの、必ずあと一息のところで麓まで転がり戻されてしまう刑罰を受けたというギリシャ神話に登場する逸話。カミュはこの話を題材に、随筆『シーシュポスの神話』を書いている。

そして一度このラットレースに参加すると、自分の意思とは無関係に、
「組織のため」「みんなのため」と、ありとあらゆる要望に応えていかなければなりません。

しかし、ちょっと待ってください。

このゲーム、一体だれが始めたのでしょうか?
何のために私たちはこのゲームを続けなければならないのでしょうか?

明確なクリア条件も設定されていないのに…

特に意味なんて無い。けど、それで良い

上記では「労働」という面に着目して書きましたが、視点をもう少し広げてみると「人生」というゲームにも、疑問が生じます。

その疑問への一つの答えが、冒頭でご紹介した、カミュの哲学です。

「意味が無いことを認めた先に、自由と幸福がある」
数々の困難や不条理を経験した彼だからこそ生み出せた、力強いメッセージでしょう。

失礼を承知で噛み砕いた言い方をするとしたら
「人生にしろ、今やってることにしろ結局意味なんて無いんだから、早い所無意味であることを認めて、自分が楽しいと思えることにエネルギーを使おうよ!」
さながらこんな感じでしょうか。

もうちょっと具体的に言ってみれば、
「自分がやりたいことに対して深く意味なんて考えすぎず、楽しいことは楽しいと素直に認めても良いんだよ!」
と、語りかけてくれているようにも感じます。

人生の「主権」を取り戻そう」の記事でもやや近しい内容に触れましたが、
筆者としては、こういった考え方が非常に好きです。

新しい楽しみが湧き出てくる人生って、きっと幸せだろう

なんか、堅苦しくて息苦しく感じますよね。真面目に生きてると。
そんなフレームは一回取っ払っちゃって、「自分が感じることのできる楽しさ」に、しっかり目を向けてあげることも大切なのではないでしょうか。

趣味の技術の向上でも良いし、子どもの成長を見守ることでも良い。
季節の移ろいを感じることに充実感を感じるのも良いし、
まだ知らない食べ物を日々探すことに価値を見出す人生もとても良いと思います。

これと同じように、仕事自体に楽しみを見出した人は、その道に価値を見出すことも素晴らしいことだと思います。
ただし、このゲームに強制参加させられている以上、本当に自分の価値観に従えているのか、冷静に考えることも必要です。

最後に、ふと思い出したのである曲の歌詞をご紹介したいと思います。

Here it comes again
Cannot outrun my desire
Cover my descent
And throw the beauty on the fire

楽曲:Beauty on the Fire 歌:Natalie Imbruglia

確か当時の歌詞カードでは、beauty を「美徳」と訳していたと記憶しています。
「美徳は火にくべて、焼き捨てちゃいましょう」

この「美徳」という言葉を、「一般常識」や「社会通念」に置き換えてみると…

もしかすると、生きづらい人生が少しだけラクになるかもしれませんね。

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